グエムルを観たッ!

おもしろかったッ!興奮したッ!まず画がよかった!「ああ〜、映画だ映画だ映画だ〜〜(ニタニタニタ〜)」とペ・ドゥナが走って走って走って走って走るシーンを観ながら思いました。怪物の動きもいちいちすごく快感なんですよお。なんか、造形はパトIIIに出てくる「廃棄物13号」というののパクりって言われてるみたいで、確かに似てるんですけど、動きも同じなんですかね?あの“うんてい”のウルトラC技みたいなさ、尻尾と前肢でグリンッ!(バシッ!)グリンッ!(バシッ!)みたいなやつも?あの動きがすんごい気持ち良いんですよね〜。

お約束は全部外すというポン・ジュノの野心は99%肯定です。特にペ・ドゥナのアレの件は、完全にお預け食らった犬状態でもうメロメロでしたわ。あと1%最後以外は…。ああ、でも、アレが本当にアレしたかどうかは最後までわからないよね。実は、アレはアレしてないんじゃないかな〜、って思うのは2枚目の写真がアレだったから。ま、ちょっと深読みしすぎな気もしますが。*1

ところでこの作風を「ブラックユーモア」と言って済ますのには躊躇があります。もちろん明らかなブラックユーモアもあるのですが、悪意よりも悲しみを感じる場面も多かったからです。ユーモアの裏に悪意があるのではなく、喜劇と同時に悲劇が起こっていること、その「同時に起こる」ということにポン・ジュノという人はこだわりを持っているのでは、とわたしは見ています。下世話と崇高が平気で同居し、日常と非日常に境目がなく、現実と夢想が地続きである、それがこの世の姿だと。過去二作を思い返してもそういう手触りがありますね。相反する概念が同居することや、位相がひっくり返ること、ねじれて螺旋を描くこと、そのようなことにこだわりがあるのではないかしらん。

*1:ネタバレ部分は<注>に書きたいんですけど、注釈もアンテナとかRSSには反映されるんだっけ?