みなさんテレ朝の「点と線」観てますかー

こないだの「天国と地獄」「生きる」は酷かったけど今回は気合い入ってるなー!
「監督ばんざい」を観たときは呆れ返りましたが、たけしさんにはまだまだやることが残っているなあ。それは何かと申しますと、昭和30年代の呪いを現代にぶちまけるということです。「コールタールの力道山」はその予告だったんだな!さあ誰かビートたけし主演で「実録・山下清」をやりましょう!(これは地獄太夫の受け売り)

それはそうとこの「点と線」、見事だったのは徹底して昭和顔の役者を揃えたことですね。香椎で殺された佐山が泊まった旅館の番頭が升毅、佐山に女から電話がかかってきたと証言した女中が星野真里香椎駅前で男女二人組を見かけた青果屋の主人が斉藤洋介…に始まり、台詞のある者は端役に至るまで全員が昭和顔、しかも名の知れた人ばかりでした。(オープンセットも使っていたし、そりゃあ制作費もかかるよね。三億だとか。)端役にまで名のある役者を配していることにはじめは「SPドラマだから豪華に」という浅薄さを感じたのですが、ひとりひとりの顔を見ているうちに、これは昭和30年代という時代背景を立体的にするためのこだわりなのだと気付いて感心しました。つまり、一瞬しか登場しない端役にもそれぞれの暮らし(大仰に言えば人生)があることが見える。それが時代背景にリアリティを与えているということです。(天宮良のグランドホストなんかさ、職場では時代の最先端で働く花形って風貌だけど、四畳半一間の家に帰ったらちゃぶ台に向かってランニングにトランクス姿でお茶漬け啜ってる姿が見えたもん。見えませんでした?良い配役だよなー!)配役って本来そういうことですよね…!誠実な仕事振りが素晴らしかったです。こないだの黒澤ドラマがあまりにも酷かったから余計にそう思うわ…。

とにかく啓示を得たのは今後しばらくのキーワードが「昭和30年代の呪い」だということですね。関連事物のおすすめがありましたら、みなさまどうぞご教示ください。とりあえず「ALWAYS 三丁目の夕日」を観ないとな。